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ベトナム出身で、グローバルビジネス学部ビジネスデザイン学科1期生として本学を2017年に卒業したグエン・カイン・リンさん。海外キャンパス「昭和ボストン」への留学に加え、協定校であるオーストラリア・クイーンズランド大学へ交換認定留学した学びを生かし、グローバルにチャレンジし続けています。

ベトナムの高校で日本文化に興味があったので日本語を専攻しました。アニメから入った興味でしたが、さまざまな日本化に触れ、自分の目で日本を見たい、生活してみたいと思い、日本への留学を決めました。
昭和女子大学を選んだのは、見学時の職員の方々の親切な対応とアットホームな雰囲気からです。何よりもビジネスを学びながらボストン留学等で英語のスキルアップができるのが魅力でした。

昭和ボストンでは授業はすべて英語で行われましたが、寮生活は日本語が基本。日本語もずいぶん上達しましたし、留学生活でアメリカ文化に興味を持った同期たちが「ベトナムではどう？」とベトナムにも興味を持ってくれ、友人もたくさんできました。
帰国後、さらに英語圏で学び、他国の留学生とも交流したいと、オーストラリア・クイーンズランド大学の交換認定留学にチャレンジしました。不動産投資やコーポレートファイナンスなどの専門科目を履修し、勉強漬けながら学ぶ喜びに満ち た濃密な１年を過ごしました。
オーストラリアでは履修申請から生活用品の購入まで、すべて自分から動かなくては何も進まない環境でした。勉強面だけ でなく、自分で聞く、伝える、判断し行動する積極性が鍛えられたように思います。
オーストラリアは市中にも各国にルーツを持つ方が多く、多文化共生社会を体感できたのも有意義でした。

卒業後は、ビジネス知識と英語を生かすべく外資系の信託銀行に就職しました。東京以外の文化にも触れたくて福岡オフィスを希望しました。福岡では日々の仕事をこなしながらダンス教室に通ったり楽しく過ごしましたが、２年が過ぎた頃、別の仕事もしたくなって東京オフィスの内部監査職に応募しました。
内部監査は、チームを組んで約３か月ごとに子会社や関連会社の業務実態等を見直し、課題を発見して改善案を提言する仕事です。私には天職だったようで、昨年NECに転職した後も、海外の子会社を対象に内部監査業務を続けています。

社会に出て改めて実感するのは、昭和女子大学が大切にしている「７つの力」は本当に「社会で必要とされる力」だということです。グローバルに生きる力や外国語力、ITを使いこなす力は今や当たり前ですし、コミュニケーション力や課題発見力、目標設定力、行動力はどんな仕事にも求められると思います。特に内部監査業務には必要不可決です。
そして、こうした力すべてに関係しているのが７つ目の「自分を大切にする力」ではないでしょうか。自分を大切にするには、自分をしっかり見つめる必要があります。将来どうなりたいか、そのために何が必要かを考え、今の自分に足りないところを確認すると、自然にすべきことが見え、プランを立てられます。そのプランに沿って行動する中で６つの力の必要性に気づき、身につけていけると思います。

学生の皆さんも、教わったことを学ぶだけでなく、自分を見つめてプランを立て、目標達成に向けチャレンジしてください。現代の女性はキャリアウーマンであれ、家と仕事の両立であれ、多くの選択肢があります。どの道を選んでもそれぞれの将来が想像できます。その将来像が自分の理想の姿なのか、納得できる生き方なのかを熟慮し、理想の将来を手に入れるために今、自分の長所・短所や可能性をしっかり見極め、意図的・計画的に行動することが大切だと思います。
幸い昭和女子大学は、先生方はもちろん国際交流センター（CIE）やキャリア支援センターなど学生のやりたいことを応援してくれる体制が充実しています。私も折に触れ大変お世話になりました。きちんと考え相談すればきっと、希望の道、 新しい扉が開かれると思います。
またビジネスデザイン学科にはアカデミックに教えてくれる先生と、ビジネス界で大きな実績を積んだ先生が両方いらしたので幅広く学べ、将来を多面的に考えることができました。

「理想の将来に向けプランを立てる」と言っても、そのプランに縛られる必要はありません。状況に応じて目標が変わり、プランも変わります。私も来日前は日本でしばらく働いてベトナムに戻ることを考えていましたが今は、日本で天職に出会えましたし、日本で事業を展開する夫を支えたいので、このまま日本で内部監査の仕事を極めたいと思っています。
加えて昨年、ITを活用して日本にいながらハノイにパンケーキ店を出店しました。経営方針や設計、レシピなどは日本で私が考え、実際の運営は現地で両親が行っています。今回は日本のふわふわパンケーキをベトナムに紹介する事業です が、将来は逆にベトナムの文化を日本に紹介する活動を手がけるかも知れない。そんなふうに、これからも自分を見つめ、理想の将来像に向かって意図的・計画的 に成長して行きたいと思っています。