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interview
音楽心理学:~人はなぜ音楽を楽しめるのか~
池上 真平
心理学科
専任講師

掲載日:2023年9月13日
心理学科ブログより
池上先生SJ横
今回,音楽心理学が専門の池上真平先生に,「音楽心理学」の魅力などを紹介する特集記事を書いてもらいました。 「音楽心理学」も昭和女子大学の心理学科で学べる特色ある分野の1つです。ぜひ,進路を検討する上での参考にしてください😊
【音楽心理学について教えてください。】
音楽に関する色々な行動(聴取,演奏,歌唱,作曲,身体の動きなど)や,それらに関する心理(例えばリズムやメロディの認知,感情,記憶,それらの発達など)について,科学的に探究する学問です。
「心理学」と名前がついていますが,心理学だけでなく音楽学,情報科学,医学,教育学,生理学など,様々な学問領域とも密接に関連しています。
【音楽心理学を専門にしたきっかけや魅力について教えてください。】
高校生の時担任の先生に音楽心理学の書籍をいただき「へえ,こういう学問があるんだ」と興味を持ちました。
大学は内部進学だったのですが,たまたま心理学科に音楽心理学を研究されている重野純先生がいらして,「面白そう」と思って心理学科に入りました。重野先生には学部3年生でゼミに入ってから博士の学位をとるまでずっとご指導いただきました。
私が最も魅力に感じるのは,「人はなぜ,どのように音楽を楽しめるか」に客観的に迫れるところです。もともと私は学生時代から音楽活動をしていたのですが,そこで大切にしていたのは,自分の感性を軸にした「主観」の世界です。
当時から心の底に「人はどうしたらもっと音楽を楽しめるのか」という疑問があって,「このフレーズを入れたら良いかな」とか「こういうノリで演奏するとカッコ良いかな」とか自分なりの答えを具現化できるように努めていた気がします。
一方,音楽心理学の研究をすると,科学的な「客観性」が大切になります。一見全く別物の営みですが,長年自分が抱いてきた関心や疑問への答えに繋がっている気がして,どんどん魅了されていきました。
池上先生コンサート
【音楽心理学をテーマにどのような研究ができますか?】
音楽は様々な要因が関係しているので,音楽心理学の研究テーマも実に多様です。私自身は,音楽を聴くことで身体を動かしたくなる感覚や気持ち良さが生じるプロセスや,BGMが消費者行動に及ぼす影響や,音楽が持つ心理的機能の研究をしています。
ゼミ生の皆さんも音楽をテーマにする学生さんが多いですね。例えば,音楽がもたらす感情体験や,映像における音楽の効果や,ダンスなどについての研究が挙げられます。
【音楽心理学に関するおすすめの本や映画などはありますか?】
音楽心理学がどのような学問か知りたい初学者の方には「音楽心理学入門」(星野悦子編著・誠信書房),より深く知りたい方には「音楽知覚認知ハンドブック」(北大路書房)をお奨めします。
音楽に限らず音全般(例えば声などを含む)についてわかりやすく学びたい方は「音の世界の心理学」(重野純著・ナカニシヤ出版)もお奨めです。
映画については,「コレ」という特定の作品というよりは,ご自身が好きな映画を「どのような音楽がどのような場面で使われているか」に注目して観てみると,面白いと思いますよ。
【心理学科を目指す受験生に一言お願いします!】
心理学は,とても幅広い学問です。心に関することなら割と何でも研究対象になっています。
ですので,卒業研究をするときも,皆さんお一人お一人が夢中になれるテーマがきっと見つかるのではないかと思います(私の場合はたまたまそれが音楽でした)。
皆さんご自身がもつ疑問を思う存分突き詰められるように,楽しみながら心への探究を深めていただきたいです。


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