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2019.01.08

【卒業生訪問】”考え抜いた“大学時代、自分にしかできない建築を目指して ― 一級建築士 塩野敬子さん

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 昭和女子大学を卒業後、一歩踏み出して行動し続ける女性を紹介するシリーズ。
 今回は、昭和女子大学を卒業して一級建築士として活躍中の塩野敬子さんにお話を聞きました。中学生ぐらいの時に実家をリフォームしてくれた大工さんの仕事ぶりに感動した塩野さん。以来、建築家の道を志したそうです。

塩野敬子さん
ジェイアール東日本建築設計事務所 商業設計本部商業2部 主任
2010年 昭和女子大学生活科学部環境デザイン学科を卒業後、千葉大学大学院へ進学。
2016年 一級建築士に合格。

「心地よい空間」とは、一体なんだろう。

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 昭和女子大学では「設計製図」の課題に熱中しました。与えられたテーマに沿って図面を引き模型を作成。それを使ってみんなにプレゼンをするのですが、「心地よい空間を作りなさい」など、とても抽象的なテーマでした。
 「心地よいとはどういう状態か」「心地よさを生み出すのはどんな音?どんな香り?どんな地形?」・・・さまざまな着眼点があります。必死に考えても、発表するたびに鋭い指摘を受けます。今度はそれに応えて説明し、説得する経験を通して、コミュニケーション力が鍛えられたと思います。
 何よりも、この「設計製図」を通して、同じ志を持った友達と出会い、お互いに成長しあえたことがよかったと感じます。友達とは授業外でも集まり、よくディスカッションをしました。みんな先生になったつもりで、わざと厳しいことを言い合う。その中で、表現したいことが形になってきました。

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私の4年間の意味とは?就職活動で感じたショック

 初めて就職セミナーに行ったとき、「建築を専門に学ばなくても設計は可能です!」という謳い文句の会社があることを知りました。ユニット化され、スピードや取扱数を重視する設計ならば、誰でもできるそうです。大きなゼネコンだと建築の一部しか関われないとも聞きました。
 その時「設計って何だろう」と、これまでやってきたことが切なくなってとてもショックを受けました。‥‥ならば「意志を持った設計者になりたい」と思いました。
 そこで、視点を変えてまちづくりも含めた「都市計画」にチャレンジしようと、千葉大学大学院に進学しました。大学院で学びながら感じたのは「緑が豊か」「南採光」と言葉にするのは簡単ですが、それを実現するのが難しいということ。ならば、それを具体化できる設計者でいたいと思いました。



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さまざまな視点を見出し、”考え抜く”

 大学院修了後に現在のジェイアール東日本建築設計事務所に就職しました。職場は、駅周りの開発に力を入れている会社です。私はずっと商業設計部という部署で、”駅ビル・事務所”を作っています。「使いやすい」「快適な空間か」などに加え、法律を満たすことはもちろん、加えて「お客様が買い物をしやすい通路の幅」や、「運営視点での店舗配置」といった観点からも検討します。
 10年がかりの大仕事も多いですが、すべて自分の目が行き届く規模の仕事も大切にしています。武蔵小金井駅近くの高架下に建設した「nonowa武蔵小金井ムサコガーデン」という商業施設は、そういった仕事でした。

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 施設内に小さな公園を作ろうと計画していて、工事中に、近くの幼稚園に通う子どもたちが「早くあの公園で遊びたい!」って言ってくれたんです。オープン日に、待ってましたといわんばかりに子供が駆けていくのをみたら、感極まりましたね。つらいこともあったけれど、頑張ってよかったです。

昭和女子大学で鍛えた大切なもの

 昭和女子大学で「考え抜く」力をつけました。卒業設計もそうだし授業でもそう。考え抜き、話し合い、そして別の角度から指摘を受けたり、時には否定される中でまた考える。そうして自分の芯を作っていくんです。
 後輩の皆さんにはぜひ、学生という立場を使って、いろいろなことに挑戦してもらいたいです。学生だからできることはたくさんあります。肩書きとか、会社の名前がつく前に、建築に限らず興味のあることはチャレンジしてみるといろんな場面でつながっていくと思います。


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