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2019.08.29
学部3年生が1年生の課題解決を助ける「ティーチング・アシスタント」制度
グローバルビジネス学部ビジネスデザイン学科の1年次の必修科目「グローバルビジネス基礎演習Ⅰ」は、基礎的な学習スキルを身に付けるとともに、大小さまざまなグループによるワークショップを通じて、個人・チームによる課題発見と解決のための手法を学びます。
この授業を進行するのは教員ではありません。「ティーチング・アシスタント(TA)」と呼ばれる3年生の学部生です。
大学院生がTAを務める例は少なくありませんが、学部生が挑戦するのはまれといいます。しかし、ゼミやプロジェクト活動、卒業後のキャリアにも活かせる力を身に付けられることから、2018年度にスタートしました。今年度は「後輩の力になりたい」と26人が志願し、12人がTAに選抜されています。
学生同士で取り組むプログラム
授業ではリアセック社が開発した「タクナル」という指導メソッドを活用しています。これは、グループワークなどを通じて、学生が主体的に課題解決に取り組む力を育てるものです。相互理解のためのワークショップや、自分の意見を伝える基礎を学んだあと、具体的な課題に取り組みます。課題は、「お客様が喜ぶ『移動動物園』を企画しよう」「ブラスバンド部でのメンバー同士の衝突を解決しよう」など、正解はないが、よりよい答えを導き出さないといけないものばかりです。1年生5~6人のチームで取り組みますが、そのチームを運営し、サポートするのがTAです。
1年生の力を引き出すTA
TAの役割は、学生たちの強みや傾向を把握した上で、1年生同士がリラックスして議論しやすい雰囲気を作り、必要に応じてアドバイスしながら、1回90分の講義時間内でファシリテーターとして議論をより良い方向に導くことです。そのため、まずTAは教員とともに事前にタクナルの研修を受け、ノウハウを学びます。毎回の講義の前日に教員とともに予習し、講義後には授業を振り返るとともに次回の準備をします。一人一人に合わせて接し方を工夫したり、時にチーム替えを提案したり、試行錯誤を重ねます。
TAは後輩の成長に貢献するだけでなく、TA自身も、自分やチームメイトの強み・課題を認識し、準備・進行・振り返りをする力を身に付けていきます。春からTAを務める学生は「自分の思っていることを学生に伝える難しさはあるが、どうすれば学生が熱心に、ワクワクするような時間にできるか試行錯誤している」「TAの経験を通して、人前で自分の意見をしっかり話す力を身に付けて、ゼミや就職活動などで活かしたい」と話しています。
学生同士ならではの悩みも
一方で、学部生が学部生を教えるゆえの課題もあります。例えば、あるTAは「1年生に嫌われたり、怖がられたくないから、ものを言いづらい」と悩んだといいます。また、担当した1年生が失敗した時に、責任を感じて落ち込むTAもいたそうです。タクナルを本学に導入した前田純弘教授は「失敗したか成功したかではなく、うまくいったチームから学んだり、なぜうまくいかなかったかを考えたりすることが大切」とアドバイスしています。
下級生の学びに貢献しながら自分自身も成長できるTA制度は、今後ますます注目を集めそうです。
TAを体験した学生の声
ビジネスデザイン学科のブログでは、「TAからの手紙~1年基礎ゼミを担当して~」を更新しています。TAを通して学生が感じたこと、学んだことを語っています。ぜひお読みください。
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