光葉博物館 1998年度 10月

岩元コレクション
世界の民族仮面展− 語りかける造形の妙 −


開催期間
1998年10月26日〜12月19日

ごあいさつ
「世界民族仮面展」によせて
「岩元コレクション」について
主な出品仮面



ごあいさつ

 日本には能・狂言といった洗練された仮面劇があり、また一方では太古から用いられたまま生活の中にとけ込み、文化となって現在に至る仮面が存在します。そして世界中にも、実に多くの民族が特有の仮面を持ち、独自の文化を創り上げています。しかもこの多くの民族による多様な仮面には、時に驚くほど似通った表現を見出すことが出来るのです。それは民族というものを越えて、人間の心情表現は普遍的なものだ、ということを表しているのではないでしょうか。
 この度、仮面研究家として知られた岩元忠雄・洋子御夫妻が、約40年にわたって蒐集された仮面495点を、御寄贈していただく機会に恵まれました。その中から80余点をここに展示公開いたしました。篤く岩元洋子夫人のご好意に感謝するとともに、この岩元コレクションの素晴らしさと、人間の心を表現する仮面の造形の面白さを、この展覧会で感じ取っていただければと思います。

 
昭和女子大学光葉博物館 館長 加藤 澄江



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「世界民族仮面展」によせて

 世界の中には仮面を持っている民族が多くいます。 神や鬼・悪魔・幽霊また神や霊の依代としての人間の顔・動物・植物の精など、仮面の意味するところは様々です。その使用は人間に災いをなす悪霊、悪霊を払う力強い神、人々に幸せをもたらす神、劇に登場する仮装的意味をもったもの、仮装舞踏に使用されるものなど多様です。面相は民族によって多彩であり、人間の想像力の豊かさを思わせます。その表現には民族の特性や文化の特色を感じさせるものがあります。
 日本と中国大陸のように歴史的に関係の深かった民族には、仮面の表情、形式に共通点、相違点が見られます。相違点は源は同じだが、歴史の環境の異なることによっての変容を思わせ興味深いものがあります。また、歴史的関係が考えられない民族仮面の中に一部共通したところがあったりします。これは何を意味しているのであろうか。顔は人間の正直な表現です。仮面は人間の仮の「おもて・顔」です。人間の複雑な心の動きを具体的な物で表現したともいえます。そこには地域文化の特色とともに、地域文化を越えた人間の心の表現があるといえないでしょうか。この仮面展がそんなことを考える緒にでもなれば幸いです。

昭和女子大学大学院生活機構研究科
教授 後藤 淑


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「岩元コレクション」について

 「岩元コレクション」とはNHKおよびJICA(国際協力事業団)からの特派員と して、各地を視察された岩元忠雄氏、そして洋子夫人が蒐集された仮面資料です。「日本仮面研究会」の中心的存在として御夫妻は精力的に各地をまわり、また御夫君亡き後は、「海外邦人宣教者活動援助後援会」のボランティア活動のかたわら、洋子夫人がその御意志を継がれて資料を充実。それに加えて友人・知人の方々から贈られた品々をも含め、岩元コレクションは高く評価されてきました。コレクションの内容は、故・忠雄氏の赴任されていたインドネシアの仮面を中心に、アフリカ、アジア、ヨーロッパ等にまたがる、大変幅の広いものとなっております。
 今回、岩元洋子夫人から、故人となられた御夫君への思い出深いこのコレクションを、本学に学ぶ学生・生徒・児童への教育や、研究に役立ててほしいと御寄贈いただいたものです






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