光葉博物館 1996年度 11月

「天平の甍−鑑真大和上と唐招提寺」展

開催期間
1996年11月9日〜11月22日

・唐大和上鑑真
・【国宝】方円彩糸花網
・井上靖『天平の甍』
・出品目録
・唐招提寺
・天平古写経
・『天平の甍』文学碑建立
・東征伝絵巻
・唐招提寺蔵・中世文書調査
・鑑真和上の故郷 揚州大明寺


ごあいさつ

若葉して 御目の雫 ぬぐはばや    芭蕉


 奈良・西の京にある唐招提寺は誰知らぬ者ない名刹であり、鑑真大和上はその寺を開い た開祖です。この句は、芭蕉が「笈の小文」の中で、開山堂にある和上の御影を拝したときの感慨を詠んだものですが、これほど和上を見事に表現したものは他にないでしょう。
 いまから千二百余年の昔、聖武天皇は、まだ日本には正式に僧侶となるための戒律が整っていないことを嘆き、唐から伝戒の師を招こうとされました。
その要請に応じたのが、唐土でも名僧の誉れたかかった鑑真和上だったのです。
 伝戒伝法の情熱を貫き、五度の渡航に失敗、十二年の歳月を尽くし、あまりの苦難に失明、やっと和上が来朝を果たした時、既に六十七歳でした。
 本展覧会は、新たに唐招提寺第八十二世長老に就任された遠藤證圓大僧正にご講演いた だける機会に恵まれましたことと、長老のかねてからの念願でありました井上靖氏の名作 「天平の甍」の文学碑が、鑑真和上の御廟の近くに建立されたことを記念して、開催され たものです。国宝・重要文化財ほか多数の和上ゆかりの品々から、和上の偉業をしのんで いただければ幸いです。また、四年後に迎える本学創立八十周年に向けての記念事業のひ とつである「唐招提寺中世文書調査」が、今夏から本格的に始まりましたことも併せてご 紹介させていただきます。
 最後になりましたが、本展覧会を開催していただきました唐招提寺と、ご協力賜りました井上家に対し、心から御礼申し上げます。
 
光葉博物館 館長 和田艶子


参考文献

タイトル 著者 出版元 刊行年
「鑑 真」 安藤更正 美術出版社 1958年
「鑑真大和上伝之研究」 安藤更正 平凡社 1960年
「唐招提寺蔵「レース」と
「金亀舎利塔」に関する研究」
守田公夫 奈良国立文化財研究所 1962年
「奈良六大寺大観12・13
(唐招提寺1・2)」
岩波書店 1969年
「唐招提寺古経選」 中央公論美術出版 1975年
「日本名僧論集1 行基 鑑真」 吉川弘文館 1984年
「唐招提寺展」 朝日新聞社 1987年
「日本の絵巻15 東征伝絵巻」 中央公論社 1988年
「日本の古寺8 唐招提寺」 星山晋也 保育社 1987年
「風月同天」 遠藤證圓 毎日新聞社 1991年
「唐招提寺の美術」 奈良国立博物館 1993年
「人民中国」 東方書店 1996.4年




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