『現代社会と社会学』
現代社会を生きる私たちが直面する身近な問題と対処法について考えながら、社会学の基礎を学びます。
学びを導く3つの領域
社会科学分野を中心とした学際的で専門的な学び現代教養学科では、社会科学分野を中心に学際的に学びます。
その中で、専門性を高めていく際に助けとなるのが、社会構想・メディア創造・多文化共創の３つの領域です。
各領域に属する専門科目とゼミで専門性を高め、自身の学びの柱とします。
一方でその領域にとらわれない、自らの興味関心に従った柔軟な科目選択も可能です。
社会構想
現代社会への理解を深め、展望のある未来をライフスタイルの多様性と将来の不透明性が増す現代社会において、地域・家族・仕事・環境・教育および個人の在り方の再考が強く求められています。
「私」はどう生きるべきか、他者とどのように共生していけるか、持続可能な未来をいかに形成できるのかを構想する力を身につけます。
授業紹介
人間を知る
『社会問題概観』
国際流動化時代の諸問題を自ら発見し、それがいかなる意味を持つのかを受講生全員で議論しながら、伝える力を養います。
価値を問う
『現代社会論』
日本および海外の主要国の社会・教育制度の特徴や問題点を政治・経済・宗教・歴史などとの関係の比較を通して、社会制度と教育のあり方への理解と価値判断を磨きます。
『地域社会のデザイン（都市）』
都市は政治・経済の要であり、文化や情報が集積、発信される場です。歴史背景や規模の異なる都市毎の個性、価値について考えます。
地域から学ぶ
『現代都市事情』
気候風土、宗教、文化の異なる世界各地の都市事例から、人々の活動の場である地域、社会について学びます。
『地域社会のデザイン（都市）』
人とまち、地域とのつながりを様々な国内外の取り組みから学ぶと同時に、実際にまちに出てリサーチし、地域課題と向き合い、分析、改善点を考えます。
共生を考える
『グローバリゼーションの社会学』
ヒト、モノ、カネと情報に関わる世界的動向と個人、災害、環境、マイノリティにまつわる諸問題を既成の枠にとらわれず、複眼的に見つめ直し、問題発見と解決の糸口を掴みます。
『国際関係論』
国際社会において起きるさまざまな出来事の背景と影響に目を向け、世界の調和およびすべての人間の自由と平等の実現を探ります。
社会問題概観
現代社会や世界の諸問題を自ら発見し、それがいかなる意味を持つのかを他の人々に伝える力を養うことを目的としています。
学生は課題テーマを選択し、そのテーマと密接に関連した具体的事例を提示しながら報告し、受講者全員で議論します。
地域社会のデザイン（都市）
まちづくりや公共空間について学ぶために、世田谷公園や世田谷ものづくり学校など周辺施設を見学し、担当者から取り組みや課題について話を伺い、公園の改善案を提案します。
メディア創造
メディアを知り、メディアを活かす現代社会は、様々なメディアなくしては成り立たないものになっています。私たちの日常生活に広く深く関わっているメディアの役割や意義について学び、情報を識別する力、分析する力、発信する力といったICTリテラシーを身につけます。
私たちの日常生活や世界の捉え方の根底と関わる、メディアの在り方について探求する
現代社会におけるメディアは、遠く離れた地域の情報を瞬時に伝え、人と人との新たなネットワークを生み出し、社会のグローバル化を促進しながら新たな文化を育む働きを持っています。「メディア創造」領域では、メディアの役割や意義についての他、メディアの情報を識別する力、分析する力、発信する力といったICTリテラシーもスキル科目と連携しつつ身につけます。
天笠 邦一 准教授
授業紹介
ネットワークをつかむ
『ネットワーク社会論』
社会のネットワーク化の視点から、様々な社会集団における価値・規範・表象など文化的諸相の変化を探索し、議論します。
『ソーシャルメディア論』
90 年代初頭からのモバイル・ソーシャルメディアの普及の過程で変化した社会的ネットワークの構造とその社会的影響を考えます。
マスメディアを読み解く
『マスメディアと現代社会』
講義の前半はマスメディアの歴史について概観し、中盤からは毎回具体的な現代社会の諸問題を取り上げ、それを題材にした新聞記事やテレビ・ドキュメンタリーの分析をいます。
『メディア理論』
メディア研究の理論と方法についての基本的知識を通常の講義形式に加えて、適宜実習形式なども取り入れながら学びます。
情報を分析する
『情報をみる目』
AI やネット等の情報技術の進展は社会に急激な変化をもたらしました。この授業では「情報」に関する基礎的理解を深め、今後の情報社会の可能性を考えます。
『未来技術と人間社会』
AI や5G 通信などなど最先端の技術の概要を学び、社会における情報技術の可能性や、活用の方法を探ります。
コンテンツを活用する
『情報文化論』
情報が生み出す「文化産業（コンテンツ産業）」の変化と内容について理解をし、そのビジネス構造を学び、今後の文化産業（コンテンツ産業）の捉え方や社会への影響を学びます。
『広告文化論』
広告の進む道を学ぶと共に、広告表現を中心にアクティブラーニング形式で、広告プランニングを身につけます。
アイディア発想技法
メディア領域で身につけた、現代のメディア・情報社会における知識は、コンピテンシースキル領域の「アイディア発想技法」等、実践的な授業の中で活用されます。上の写真は、自動運転車を有効活用するアプリのアイディアを考える授業の様子です。
ワークショップ技法
チームを組んでワークショップを実際に体験し、企画・設計から実施・運営までの流れを身につけます。他の学びの方法との違いを理解し、ワークショップの価値を理解します。
多文化共創
多文化共創の社会をめざして異文化理解の力を身につける日本には大和の文化以外にもアイヌや琉球、在日韓国・朝鮮人など異なる文化的背景をもつ人々が共存しています。今後はさらに多くの国から移民を迎えることが予想されるため、多様な文化に対応できる異文化理解の力を身につけます。
行動様式、考え方の違いを尊重できる自分を創る
コロナ禍以降、世界はIT技術を駆使してオンラインでつながることが可能になりました。
例えばバーチャルや3D技術によって世界の文化を体現できるようになり、新たなグローバル化の可能性が拓かれようとしています。
芸術・言語・宗教・消費など、国境や民族を越えて世界の多様な文化を学び、共に生きる社会を創るために、多文化理解の力を身につけます。
粕谷美砂子 教授
授業紹介
表象文化を学ぶ
『文化をみる目』
現代社会において“文化” がどのように位置づけられ、どのような役割を果たしているのか、国・企業・地域をキーワードに様々な角度から文化について学びます。
『表象文化論』
ハイカルチャーからポップカルチャーに至るまで、映画や音楽など多種多様な表象を対象に、文化を理論的に研究する方法を学びます。
消費文化を問う
『消費と経済』
消費生活をめぐる社会・経済的な問題を、生産・流通・国民経済全体の中に、歴史的な縦の流れとグローバルな横の繋がりで位置づけ、「再生産＝消費領域」を考えます。
『消費文化論』
食はグローバル社会の中で、人口、環境、生産と消費、ジェンダー等様々な課題と結びついていることを理解します。
民族文化を知る
『地域研究A・B』
Aでは中国、北朝鮮、アジアにはなぜ社会主義体制が健在であるかなど、社会主義が世界に与えている影響を知り、国際社会をみる目に「社会主義」という視点を加えます。
『エスニシティ論』
多民族国家中国とロシアなどを実例に「国家」や「民族」の複雑な関係を「エスニシティ」という理論から学びます。
言語社会を考える
『ことばと社会』
「日本語」とはどういうことばか、アジアの諸言語を中心に、国語、書きことば、民族語、方言、公用語等、ことばの問題を社会学の視点から学びます 。
『表象文化と社会』
戦争・女性・家族をテーマとした文学作品を中心に取り上げ、言語によって社会がどのように文字文化に反映され、社会に影響を与えてきたのかを考えます。
消費文化論
食品ロス、フードマイレージをはじめ、現代の食システムが抱える国際的な問題について考えます。上記の写真は、フォトランゲージの手法を用いて、様々な国の食の現状とその背景を考察し、多文化について理解を深める授業の様子です。
学術研究交流
ブリヤート国立大学アジア学院で、日本語学科を中心とする学部学生と大学院生に対して、本学科の教員が「地域」「文化」「言語」をキーワードに講義を行いました。学生たちの参加態度は非常に熱心かつ積極的で、講義後は活発な質疑・応答が展開されました。
社会を変えるにはまず自分を変えることから！
グローバル化、地球温暖化、高度情報化、少子高齢化、都市集中化が進む現代社会において、人間同士の距離、生活様式の変化と将来への不安が増すのに伴い、地域・家族・仕事・環境・教育および個人の在り方の再考が強く求められています。
「私」はどう生きるべきか、他者とどのように共生していけるか、持続可能な未来をいかに形成できるのかを構想する力を身につけます。
シム チュン・キャット教授