日文プロジェクト科目は、1年次から4年次までの希望者が履修することができ、単位取得もできます。日本の言語文化に関するテーマを学生が率先して企画し、成果を学内外に問う実践的な取り組みです。文学コース、言語コース、また学年を越え協働し、両領域の専門性を学際的に活かすことで学びを深化させます。




「日本語教育プロジェクト」(担当:近藤彩|実施期間:2023年)

外国人との共生を支える日本語教育について多角的に考え行動するプロジェクトでした。外国人を雇用している企業関係者、日本語教育関係者、日本語学習者等にインタビューし内容を分析し、自身の経験と知識を整理しました。得た知見から教材開発にチャレンジ、昭和女子大学の留学生に向けたリソース「ようこそ昭和女子大学へ!」を公開しました。また、本校に来訪するさまざまな日本語学習者と交流を深めるために、積極的に企画運営を行いました。

「古典文学で作品作りをしてみよう」(担当:鵜飼祐江|実施期間:2023年〜)

古典作品から題材を選び、絵本や紙芝居、漫画、動画、音楽会、翻刻等にして、園児や小学生、中学生・高校生、大学生、社会人、外国人など、それぞれに相応しいかたちで紹介できる作品作りを試みるプロジェクトです。古典離れが進む現在、『竹取物語』のような有名な作品から親しまれてこなかった作品まで、短くわかりやすいかたちに工夫して、広く紹介できるような教材開発を試みます。


「百人一首deプロジェクト」(担当:丹下暖子|実施期間:2021年〜2022年)

現代において最も有名な古典作品の一つである『百人一首』を題材として、古典和歌がより身近になる教材を開発することなどを目標に活動しました。日文で学んだ専門知識や各自の特技を活かして、古典が苦手な人でも親しめる解説冊子や、和歌の詠まれた背景を楽しく紹介する動画も作成しました。

関連リンク:百人一首deプロジェクト動画を作成しました

「古典教材開発プロジェクト」(担当:須永哲矢|実施期間:2016年〜2018年)

この間まで高校生・教わる側だった記憶を活かして、学生にしか作れない新しい古典教材を作るプロジェクトです。統計や機械処理といった新しい手法を利用しつつ、①文法②単語③敬語④古典常識といった4つの学習要点を、複数年にわたって教材化してきました。従来の枠にとらわれない、学生ならではの出力形式を常に追及し、助動詞の擬人キャラクター化や、現代作品の古文訳などに取り組んできました。2018年度は最終課題として古典常識のリストを作成、目標としていた4つの学習領域すべての教材が完成しました。また、今後の展開を見据え、助動詞接続をカードゲームで学ぶ、という企画を立ち上げ、ゲームシステムやカードの試作を行いました。

「帰国生漢字学習サポートプロジェクト」(担当:植松容子|実施期間:2024年〜)

日本語教育の知見を活かして、中学校に在籍する帰国生を対象とした漢字学習サポートを行うプロジェクトです。漢字教育のための基礎の学習、漢字教育教材の分析、現場の視察と聞き取りをもとに、学習者のニーズと動機付けを大切にした教材開発や学習サポートを実践しています。

「児童文学プロジェクト」(担当:福田委千代|実施期間:2018年〜2019年、2021年)

「子どもたちと本をつなぐ」という目標のもと、家庭や教育現場で活用してもらえるような、実用的で魅力的なブックリストの作成を活動の基本に実践しました。成果は、「これぞ決定版という名作絵本リスト」「親御さんの悩みを助ける絵本リスト」「親子で読める絵本・紙芝居リスト」「子どもための美味しいブックリスト~本でほっぺたが落ちる体験を~」「YAへおくるブックリスト」の5冊のブックリストにまとめてあります。その合間に読み聞かせ活動や、手作りの昔話ぬりえなどを携えての子ども向けイベントへのエントリーを通して、現実の子どもたちと繋がることも経験しました。卒業生となったかつての受講生は、大学に訪ねてきてくれる度に「楽しい経験でした!」と目を輝かせて言ってくれます。

関連リンク:ブックリスト「YAへ贈る本」「子どもための美味しいブックリスト~本でほっぺたが落ちる体験を~」

「馬瀬狂言プロジェクト」(担当:山本晶子|実施期間:2024年〜)

三重県伊勢市の馬瀬町の人々の手で長い間伝えられてきた馬瀬狂言を紹介・発信するプロジェクトです。地域で伝承されている伝統芸能を通して、日本の伝統芸能とその継承のあり方について学び、日本の伝統文化についての理解を深めます。 2024年11月16日に行われる公開講座「伊勢の地で育まれた狂言ー馬瀬狂言の世界」の企画・運営や馬瀬狂言の資料展示を行います。また、プロジェクト活動の情報発信や馬瀬狂言を紹介するリーフレットも作ります。


「近代文庫所蔵『與謝野晶子書簡』コーパス化プロジェクト」(担当:宮嵜由美|実施期間:2022年〜)

本学では、創立者の人見圓吉(筆名、東明)が収集した貴重書を「近代文庫」に所蔵しています。そのなかでも、與謝野晶子とその晩年の愛弟子、近江滿子との書簡91通を、「日文こそデータサイエンス!」の号令のもとコーパス化しました。コーパスとは、研究に必要な様々な情報を付与し、PCなどで検索可能にしたデータベースのことです。コロナ禍の2022年から始まったこの取り組みですが、毎年20名の参加者とともにデータを作成してきました。

本プロジェクトの活動は、多くのメディア(「NEWS CAST」「沖縄タイムス+プラス」他)に取り上げていただきました。

本学デジタルアーカイブと連動した本コーパスの学外への公開を目指し、学会などで成果を発信しています。

関連リンク: 【動画】コーパス化プロジェクト発足しました企画展示・学会発表コロナ禍に受験生だった学生と秋桜祭

「お江戸で○○プロジェクト」(担当:荻原大地|実施期間:2024年〜)

近世文学作品は多種多様な作品が残されているものの、くずし字の状態で残されている場合がほとんどです。本プロジェクトでは、翻刻や二次創作、グッズ製作や解説本などの作成を通じて、近世文学作品を現代人に親しみやすい形で再構成することを目的としています。


「日本文化発信プロジェクト」(担当:山本晶子・植松容子|実施期間:2016年〜2019年)

日本文化発信プロジェクトでは、題材として狂言を取り上げ、その魅力を紹介する冊子作りを中心に活動しました。冊子を作成する過程で留学生との意見交換会や意識調査を実施し、その成果を2018年3月、2019年3月に日本語教育方法研究会(JLEM)で発表しました。一連の調査を通して得た気付きは、留学生には「狂言のことばをもっと知りたい」というニーズがあることです。そこで、2018年度は「やさしい日本語」によるあらすじの紹介と外国語への翻訳を部分的に併記した冊子を作成、2019年度は4年間の活動の集大成として、狂言のことばから狂言の基礎知識を学ぶという新たな形のガイドブックを作成しました。学年、ゼミが異なる学生達が集い、協働して作成した冊子は、狂言を扱う授業の副教材として、現在も活用されています。

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